古屋敬多とダンス

台風の中、お家の中でゆっくりと過ごす…なんてことができない系のオタクなので、

以下、盛大な暇つぶし記事になります。

ホストちゃんに頭が沸きすぎて、思わず「古屋敬多と”お芝居”」なんてものを書き始めてしまったけど、

お芝居の前に、もっと根本的な部分に触れなくてどうすると。

「古屋敬多＝(イコール)」と言っても過言ではない、「ダンス」について、語らずしてよいものかと思い。

また誰に頼まれた訳でもないのに、長々と書き連ねます。 

--------------------

なぜこの記事を書こうとしたかと言うと、YOSHIEさんというダンサーさんのツイートを見て、ハッとしたから。

私の振り付けは私個人が生み出したそれらだけで構成されてるのではなく、必ず先人達に教わったもの影響受けたものも基盤となってる。そのステップを踏むたびにその人が思い出される至福の時。
私が踊る時、よしぼうさんが生きてるし、マージョリーが生きてる。

— YOSHIE (@yoshiebbc) 2018年4月8日

 

このツイートをしたYOSHIEさんとは、結成30年以上のダンスチーム「BE BOP CREW」の一員で、日本のダンサーだったら誰でも知っているウルトラダンサーである。

BE BOP CREWは、福岡を拠点とした日本のストリートダンスの基盤を作ったと言っても過言ではない超偉大なチーム。福岡出身の古屋さんにもビシバシに影響を与えたはずの方々である。

古屋さんのダンスには、ルーツがあり、MADE IN 福岡の血がしっかりと流れていて、踊りひとつひとつのその先には、必ず”誰か”が生きている。

彼のダンスの魅力は、ここにあるのでは、とYOSHIEさんのツイートを見てハッとした。

以前、雑誌のインタビューで事務所の先輩・三浦大知が語った、

「（敬多は）振付師のクセやニュアンスを盗むのがすごくうまい」

も、まさしくコレ、にあたると思った。

 まずは、この写真を見て欲しい。

ダンサー・えんどぅさんと共に撮った一枚。

見よ、この”えんどぅ完コピ”っぷりを。

足の開き、手の位置、振り返りの角度、見事なS字カーブを、えんどぅと共に描いている。

これをだいたい一瞬で、何の気なしにできてしまうのが彼である。

ストリートダンスには、いろいろな種類がある。

HIPHOP、BREAK、LOCK、POP…など、様々なジャンルにわけられる。

ダンサーとして評価が高い、というところでいくと、大知くんがいる。

大知くんのダンスは、ストリートダンスをベースにしながらも、「ジャンル：三浦大知」と言っても過言ではないダンスに到達しつつあり、自身も「オリジナルな存在になりたい」と語るように、唯一無二な存在が評価されているように思う。

古屋さんのダンスはというと、”オリジナル”という点でいうと少し弱いかもしれない。

オリジナルを生み出せる、と言うのはやはりとんでもない事で、それを確立しつつある大知くんはやっぱりすごいのだけど…

様々な先人達の振付け、振付師たちの思いを抜群に表現出来る能力こそ古屋さんのダンスの魅力なのではないかと思う。

更に言うと、古屋さんには、”オールジャンル踊れる”という、強みがある。

ダンスをやったことがある人ならわかると思うが、

BREAKやって、LOCKやって、HOUSEやって、JAZZやって…

なんて、どれもリズムの取り方も違えば、

それぞれ基礎、と呼ばれる基本の振付けが全く違うので、全部踊れる、というのは結構すごい。

ブレイクダンスの技はむちゃくちゃできるのに、

全く踊れない、と言う人も結構な割合で存在する。

オールジャンル均等に踊れる、という点だけで言えば、もしかしたら大知くんより古屋さんの方が踊れるかもしれない。

 ここから先は、この古屋敬多が出来上がった、彼のダンスのルーツを勝手に探ってみることにする。

 

◾DA PUMP時代

古屋敬多少年・小学校4年生。

母親の勧めで福岡のダンススクール「真弓ダンススタジオ*1」へ通いはじめる。

はじめはバレエだとか、ジャズダンスをやっていた、とのことだけど、小学校6年生でDA PUMPと出会い、ヒップホップへと転身。*2

この頃のDA PUMPというと…

DA PUMP / ごきげんだぜっ！～Nothing But Something～

はい、名曲。

『ごきげんだぜっ！』の間奏あたりのダンスは、LOCK／LOCKIN'（ロック／ロッキン）、と呼ばれるジャンルのもので、古屋さんが今でも得意としているジャンルです。

DA PUMP GET ON THE DANCE FLOOR 【PV】

これ、むちゃくちゃかっこよくないですか。

ストリートダンスは時系列で分類すると、ロックダンスは「オールドスクール」に分類される。

オールドスクールの超王道オマージュが散りばめられている『GET ON THE DANCE FLOOR』は、Leadのルーツでもあるかもしれない。

そして、その王道を作り出したみたいな方々がBE BOP CREWなわけですが。

【ロックダンス】Be Bop Crew

 これらの先人達がいてこその、古屋敬多の基盤、と言えるだろう。

ロックダンスの由来は、「鍵を閉める」の「LOCK」から来ていて、ガッチリと音にハメ、「ロック」する、それがロックダンスの基礎中の基礎なのだけど…

いかに古屋さんが基礎に忠実かは示しておきたい。

これはロックダンスの代表的基礎の振付け「トゥエル」。赤丸の部分をしっかりと「ロック」。

続く振付けも「ロック」した腰回りは決してぶらさず、上半身は正体。

赤線を境に左右に広げる事で幅をもたせ、上げた足よりも上半身を縮めることで、より足が高くあがっているように見える。はい、もう模範でしかない。

伸也と輝の名誉の為に言っておくが、この「トーキョーフィーバー」は相当早い。

その相当早い中でも基礎がぶれないのがまたさすがなんですが。

◾BBOY KATSU時代

DA PUMPさんの『if…』歌い、オーディションに合格した古屋さんは、Leadとしてデビュー。

BBOY KATSUさんと出会います。

恐らくこのKATSUさんの影響もあって、Lead全員ブレイクダンスにハマりはじめます。

2012年あたりまではKATSUさんのステージ演出っぽいので、初期のLeadはKATSUさんでできていると言っても過言ではない。

Leadの夏恒例のツアー「Upturn」にほぼ必ずあるダンスコーナーを見比べていたら、見事に毎年踊れるジャンルを開拓していっていることに気がついた。

(もとい、DVD見直すくらいには暇だった)

【Lead Upturn ダンスコーナー変遷】

・2004-2005年 ビバップ

ステップ系のダンスで、なぜか初期のLeadはビバップを踊らされがちであった。

おそらく「ビバップ」は、ジャンルでいうと「オールドスクール」の次「ミドルスクール」にあたる。

ビバップについてはよく知らないというのが正直なところだが…

この頃、ビバップビバップと本人たちが言っていたので、多分これはビバップなのだと思う。笑

ちなみに、古屋さんの代名詞的なブレイクダンスの技「ラビット」はまだ登場せず、この頃は「ジョーダン」あたりのキメ技をやっていた。

・2006年 タップ

所謂ダンスコーナーはなく、他メンバーが楽器演奏を披露する中、ただひとり踊る。

タップを始めた理由が、「年をとっても踊れるように」っていう、一生踊り続ける準備できてる古屋敬多かっこよくないですか？

・2007年 クランプ

2006年に爆発的に流行った映画「RISE」の影響を120%受けたこの年のUpturn。歴代Upturnの中でも異色な作りだったかもしれないが、復刻があり得るなら断然この年のダンスコーナーを再現して頂きたい。

映画『RISE』予告編（日本語版）

映画「RISE」は、クランプというダンスを、世の中に知らしめた。有名なところでいくと、三代目のがんちゃんも「RISE」に影響を受けてダンスをはじめたというほど、この映画、クランプというダンスは、とんでもない影響力を持っていた。

ただし、古屋さんが唯一、自分のガリガリな体では表現しきれないと、嘆いていたジャンルでもある。

Lead暗黒期と言われる時代なだけあってビジュアルには目を瞑りたいところだけど、そんな時代にクランプを踊っているというのがとてつもなくいい。

「怒り」を表現するダンス・クランプを、反抗期真っ只中な4人が踊る…。

まさしく映画「RISE」の、かの有名なコピー「踊ってるんじゃない、闘ってるんだ」さながら。

そして、古屋さんの代名詞「ラビット」ついに現る。

・2008年 ポップ

この頃から、ポップの基本的な動き「ヒット」を随所に入れてくるようになる。

今思うと、DA PUMPのYORIさん(得意ジャンル：ポップ)がライジングに来たのはこの頃だろうか？

・2009年 タット

ポップから派生して、手や腕を使った「タット」を入れ込むようになる。

暗闇に発光させて踊るパフォーマンス、元ネタがあったはずだけど思い出せず…

・2010年 アクロバット

「Leadの売りはなんですか？」と、問われたときに、ブレイクダンス、という表現ではなく、「アクロバット」と答えていた頃。

宏宜のTBSドラマ『タンブリング』出演をキッカケに、「アクロバット」に力を入れはじめる。

と、7作見たところで力尽きました。

一旦Upturnのことは置いておくけど…笑

この後、ダンサーKEIくん時代や、今現在もダンサーとして付いてくれているkyoさんや、SUN-CHANG、show-heyさんの影響を受けながら、「ヒップポップ」の中でも「ニュースクール」の時代へと突入していきます。

もしかしたら、「ニュースクール」と括ることすら古くなってきているかもしれないけど。 

更に、2015年出演の『スーパールーザーズ』では、「アニメーション」、2016年出演の『プリシラ』では、「ジャズ」や「ガールズ」の要素なんかも取り入れつつ、

年を増すごとにオールジャンルなダンサーとしてズバ抜けた才能を発揮しています。

と、ここまで来たところで、「R.O.O.T.S*3」の歌詞を思い出して欲しい。

Old school からNew school
コンプリートしたら真の Groove
Don't move じゃ逃しちゃう
Dance, Step, Step　これがR.O.O.T.S

 15周年を迎えてから、Leadはジャンルにとらわれない、とよく発言するようになった。

まさに今のLeadには、オールドスクールからニュースクールとコンプリートした先の、

ジャンルレスでやってきたからこそ生まれるものがある。

オリジナルではないかもしれない、その代わり、どのジャンルにだってなれる。

様々なスタイル　さながらスライム
理性なら皆無　直感でダイブ
マナーあってもルールはなしで
今にフォーカス　憂鬱晴らしてく

先人達の基盤は守りつつ、ルールなどはない。

オールジャンルでいて、なおかつジャンルレス。

これがLeadであり、古屋敬多なのかもしれません。

なんかまとまったっぽいところで終わりにしたいと思う。

無事、台風は去り、映画「カメラを止めるな」が人気過ぎて最終上映までの待ち時間までの盛大な暇つぶしが終わりました。笑

ここまでお付き合い頂いた方、ありがとうございました。

*1:情報源は忘れました！

*2:この辺の話を確か「ごちそうライフ」という番組でしていた気がするけど…元ネタが見つかりません！！

*3:2018.7.18発売Lead8thAlbum『MILESTONE』収録曲。